アキュセラ・ショックとは?│バイオ株が見せた、”裏側の顔”
バイオ株に投資したことのある人なら、
もしかしたら、一度は耳にしたことがある
出来事かもしれません。
それが アキュセラ・ショック です。
この出来事は私もリアルタイムで見ていて、
今でも鮮明に覚えています。
今回は、その時何が起きていたのかを、
お話したいと思います。
順調に開発推移していた夢の新薬
2016年5月25日の午後のこと。
アキュセラ・インクという
バイオ企業の株が、
その日の午後まで、7,000円前後で
いつも通りに取引されていました。
ここは、
“眼疾患治療薬の研究”をしている会社で、
4月には治験の最終段階を
終えたことを発表しており、
臨床試験や審査は順調に
進んでいるように見えていたのです。
・画期的な新薬
・順調な治験の進捗
・大手製薬企業との共同開発
これにより期待は高まり、株価は堅調。
未来への“夢“が、株価を押し上げていました。
突然の株価急落…
ところが…
ある瞬間、この銘柄に、
理由の分からない大きな売りが、
突然流れ込みました。
株価は数分で一気に急落。
そしてあっという間に、
ストップ安に張り付いてしまい、
もう誰も逃げられない状態に
なってしまいました。
中には逆張りで買い向かってしまって、
逃げられなくなってしまった
トレーダーの方もいたようです。
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※当日の「5分足」チャートには、
その恐ろしい光景がそのまま残っています。
ーーー
ただ、この時点では
特に大きなニュースは出ておらず、
不可解な動きに市場は戸惑い、
ざわついていました。
そして、ニュースが出たのは、
その「翌日」でした。
不可解な急落の真相
不可解な急落から一夜明けた、
その、「翌日」。
驚くようなIRが会社から発表されます。
それは、
「開発中の治療薬の治験が失敗した」
というニュースでした。
売りが殺到し、成立しない取引…アキュセラ・ショック
これまで会社が発表していた、
「開発は順調に推移している」
という情報とは一転。
突然の治験失敗のニュースに、
市場は凍りつきました。
このニュースを受け、
同社株は翌日から売りが殺到。
取引が成立しない日が続きます。
結局…取引が成立しないまま、
6営業日が経過し、
次に取引が成立した
株価は、 1,100円。
結果として、
7,000円 → 1,100円(約6分の1)までの、
逃げ場なしの下落という結果となったのです。
これは、にわかには信じがたい話ですが、
本当に起きた出来事です。
ーーー
※当時の「日足」です。
この翌日に1,100円で取引が成立しました。
浮上したインサイダー取引疑惑…
この不可解な値動きを受けて、
日本取引所グループが、
「インサイダー取引の疑い」で
調査を開始しました。
しかし、実際にインサイダー取引が
あったかどうかは、
結局は、はっきりしなかったようです。
バイオ株には特有のリスクがある
バイオ株は、研究結果によっては
株価が数倍に跳ね上がる事もある代わりに、
研究の結果が悪いと、
株価が大きく崩れてしまいます。
このアキュセラ・ショックは、
バイオ株の持つ「裏側のリスク」を、
鮮明に見せるような事件でした。
アキュセラ・ショックが教えてくれる教訓
この事件が教えてくれる教訓は、
次の通りです。
① 「デイトレだから信用全力でも大丈夫」
はとても危険
このアキュセラ・ショックは
数分のうちに起きてしまい、
本当に逃げ場がありませんでした。
信用取引で買い向かってしまい、
そのまま退場になった方もいたそうです…。
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② バイオ株は、良くも悪くも“夢で動く”
バイオ企業は、
まだ利益が出ていないことも多く、
“将来の期待”だけで、
買われているような所があります。
だからこそ、期待が崩れると脆い。
「夢」は希望でもある代わりに、
大きなリスクでもあるのです。
最後に
アキュセラ・ショックは、
「信用全力」や「バイオ株一点集中」の
危険性を強く示した出来事でした。
でも、バイオ株そのものが
「悪」という訳ではなく、
バイオ株には、成功すれば
未来を変える力も持っています。
ただ、バイオ株にはこういった
“裏側の顔”も確かに存在している。
それを知っていることで、
無用な退場リスクを
遠ざける事が出来るのだと思います。
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