「暴落待ち」は本当に安全?|現金保有に潜むリスクと機会損失
― どんなスタンスにも、リスクは存在する ―
「暴落が来るまで現金で待つ」
という考え方。
昨年、一昨年と、
日銀ショック、トランプショックがあり、
その後に相場は大きく上昇しました。
そうした経験があれば、
「次の暴落を待ってから
入ったほうが安全なのでは」
と考えるのも、自然なことだと思います。
暴落待ちのメリット
まず、暴落を待つという考え方の
メリットとしては、
・大きな下落局面を避けられる可能性
・キャッシュを持っている安心感
・急落時に、冷静に動ける余裕
こういった点でしょうか。
現金を多めに持つ、という選択は、
精神的な安定にもつながります。
見えにくいリスクもある
一方で、どんな選択にも、
潜在するリスクというのは存在します。
暴落待ちも例外ではありません。
① 配当金の機会損失
たとえばもし、
3年間、大きな暴落が来なかったとしたら。
配当利回り4%程度の投資先であれば、
3年分で約12%。
これが5年間にもなれば、
約20%です。
保有して配当金を収受していれば、
これだけの下落があったとしても
カバーできていた、ということになる。
これは「損失」ではありませんが、
確実に取り逃がしたリターンではあります。
何もしない、という選択にも、
機会損失は積み上がっていきます。
② 「高値」は、時間が解決してしまうこともある
企業の利益やBPSは、
時間とともに積み上がっていきます。
たとえば2015年の
日経平均の一株当たり純資産額は
15,000円でしたが、
2026年5月時点の
日経平均の一株当たり純資産額は
33,000円です。
つまりは、
株価が10年前の2倍以上になっていても、
「同じ水準」ということになります。
今は高く見える水準でも、
数年後に振り返ると、
「あの時は、まだ安かった」
となることは、珍しくありません。
待っている間に、相場そのものの
土台が持ち上がっていってしまうのです。
③ 上を追えるか、という問い
もし、相場が下がらず、
さらに上がり続けた場合。
踊り場のように高値遊びをして、
そのまま過熱感がなくなってしまう
こともあります。
たとえば2020年の
コロナショック後のリバウンド局面では、
「実態経済にこれだけダメージがあるのに、
このまま上がり続けるはずがない。
二番底が必ず来る」
という意見が散見されました。
ただ結果的には二番底は来ずに、
日経平均株価はそのまま、
2万円を一度も割れることなく
上昇し続けました。
あのとき、“二番底を待つ”という
選択をした人は、
その後、どのタイミングで
買いに向かったのでしょうか。
待つ、という戦略にも、
決断の瞬間は、必ず訪れます。
④ インフレ下での現金保有リスク
インフレが続く環境では、
現金は決して
「安全資産」ではありません。
何もしていなくても、
“購買力の低下”という形で、
資産価値が少しずつ削られていく。
これもまた、 現金を持つことで
引き受けているリスクです。
どのリスクを選ぶのか
この記事は、
「暴落待ちは間違いだ」
と言っているわけではありません。
相場において、
“リスクを取らない選択”は存在せず、
あるのは、
「どのリスクを選ぶか」
の違いだけです。
もし現金を多めに持つなら、
「暴落が来なかった場合どうするか」
まで決めておく。
もし積極的に投資するなら、
「大きく下げた場合どうするか」
まで決めておく。
どんなスタンスでも、
準備があれば、憂い無しです。
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