落ちるナイフをつかむということ― 逆張りが危険な理由と、命綱の話

🛡身を守るための損切り論

落ちるナイフをつかむということ ― 逆張りが危険な理由と、命綱の話 ―


相場の世界でよく聞くこの格言。


「落ちてくるナイフはつかむな」


株価が大きく下げたとき、
つい値ごろ感で買ってしまうことも
あると思います。

下がっている株ほど、
魅力的に見える瞬間がありますよね。


でも、大きく下げた株を買ったとき、

それが「押し目」なのか、
それとも「下落途中」なのか。

その時点では、
誰にも分かりません。


今回の記事では、この「逆張り」について、

危険な場合と、その危険を回避する方法を
考えてみたいと思います。


怖いのは撤退する「目印」がないこと


まず最初の前提として、

下がっている銘柄を逆張りで買うこと自体が、
必ずしも危険な訳ではありません。


本当に怖いのは、


出口の”目印がないまま”
握り続けてしまうことなのです。


撤退ラインを決めずに
逆張りで買ってしまうと、

下降トレンドの渦に巻き込まれて、

気がついたときには
「売るに売れないほどの含み損」
を抱えてしまうことがあります。


必要なのは「命綱」


それでは、撤退するための「目印」というのは、
どういったものなのでしょうか。


それはたとえば、


「いったん反発を確認してから入り、
直近安値を割ったら降りる」


といったものです。


つまり「どこで降りるのか」を、
あらかじめ決めておくということ。

こうした目印は、いわば自分を守るための
「命綱」となってくれます。


実際のチャートで見てみます


たとえば、このチャート。

綺麗な上昇トレンドのあと、
移動平均線を割って大きく下落しました。



▶もしこれを逆張りで買いたいなら…


中途半端なところで買わずに、
いったんの反発を確認してから、
買ってみる。

上昇トレンド後に下落した株価チャート例



その後、残念ながら
直近安値を割ってしまったら、
すぐに撤退。

直近安値を割った株価チャート例


これなら、損切りにはなりましたが、
傷は浅く済みます。




▶これを、もしこの辺りで買ってしまうと…

逆張り狙いの株価チャート例


どこで撤退していいかの
「目印」がないので…

塩漬けになる株価チャート例


どこで撤退していいかわからず、
損切りできずに、

ずるずると持ち続けてしまう
危険性が高まります。


これが、

「落ちるナイフをつかむ」


ということなのです。


逆張りは、慣れてない人には危険です。


正直に言ってしまうと、
逆張りトレードは、

あまり相場に慣れていない方が
安易にやると危険です。


理由としては、

  • 下降トレンドは簡単には転換しない
  • 下げるほど信用買いが増え、
    需給が悪化する
  • 上がらない時間が長いほど、
    心理的に損切りが難しくなる



この結果、高い確率で
「塩漬け状態」になってしまいます。


それでは、今書いたことを
順番に解説していきます。

下降トレンドは簡単には転換しない


「トレンド」というのは、
思っている以上に、頑固なものです。

下がり始めた株は簡単には、
上げ転換はしてくれません。


下降トレンド入口の株価チャート例

下降トレンド入口の株価チャート例

下げるほど信用買いが増え、需給が悪化する


そして「値ごろ感」から
心理的に買いやすくなるため、

「信用取引での買い」が
増加する傾向にあります。


信用買いは金利もかかりますし、
レバレッジをかけれることから、

ポジションが大きくなりすぎる
傾向にあります。


また期限も決まっている場合があるため、
簡単に売りが出やすくなり、値動きが重くなる。


つまり短期的な値動きで最も影響が大きい、
「需給」が悪化してしまいます。

上がらない時間が長いほど、損切りが難しくなる


上記の理由から、

逆張りで含み損を抱えると、
長期戦になってしまうことが多くなります。


以前、「コンコルドの誤謬」のお話を
したことがありましたが、

長期戦になればなるほど、
心理的には損切りすることが
難しくなってしまうのです。


※コンコルドの誤謬のお話はこちら。

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それでも逆張りをするなら


それでも逆張りをするなら、
最低限これだけは決めておきましょう。


「逆に動いたときに、どこで降りるのか」


命綱のないバンジージャンプほど、
危険なものはありません。


逆張りをするなら、

つかむ前に、「いつ手を離すか」を
必ず先に決めておきましょう。



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