いくつもの責任を抱えながら生きてきた僕が、
何者でもない自分に戻って、
忘れていた感覚を取り戻しにいく。
これは、テニススクールという新たな
迷宮の中で、新しい自分を積み上げていく物語。
テニススクール奮闘記 第一章|子どもの頃の自分に出会った日
社会人になってからは、
仕事と子育てに追われる毎日。
気がつけば、運動らしい運動なんて、
もう何年もしていなかった。
少し前のこと。
会社のスタッフが
楽しそうに話していたテニスのエピソードが、
耳に残っていた。
「テニスって…そんなに面白いのかな?」
その時抱いたのは、ほんの軽い興味だった。
でも、それが人生の新しい扉を開ける
大きなきっかけになるとは、
そのときは思ってもいなかった。
自分のことが後まわしになっていく日々
2024年の8月。
うだるような暑さの、ある夏の日。
僕は職場から少し離れた街にある
テニススクールの、
体験レッスンを申し込んだ。
自分が親になった頃からだろうか。
“自分のことは後まわし”になり、
運動らしい運動は何一つしていない。
毎日の仕事のストレスもあり、
増える一方の体重。
リモートワークが増えたことからの、
人間関係の疎外感。
もしかしたら…
元気に過ごすことができる時間は、
自分が思っているほど、
もう長くないのかもしれない…。
そんな気持ちが、
心の奥に居座るようにもなっていた。
だから…これからは、
自分の健康のために何かをすることは、
きっと、大きな投資にもなるはずだ。
テニスをしている人は、
“健康寿命”が9.7年伸びる…
そんな、研究データもあるらしい。
そのことも、僕が体験レッスンを申し込んだ、
大きな決め手になっていた。
初めての体験レッスン
そして、体験レッスンの日がやってきた。
本格的な運動をするのはいつ以来だろうか。
ラケットを握る手はぎこちなく・・
打ったボールは、
なかなかコートに入らない。
それでも・・
コーチが打つボールを
追いかけた瞬間、
心の奥底がざわめいた。
「この感覚は…。なんて、懐かしいんだろう。」
小さい頃、
夢中でボールを追いかけていた、
あの頃の自分が蘇る。
懐かしくて、嬉しくて、胸が熱くなる。
「やります。入会します」
気づけば、その場で決意していた。
やるからには、全力で。
入会から3ヶ月は受け放題。
どうせやるなら全力で。
目標は「初心者クラス」から
「初級クラス」へのステップアップ。
「そして…やるからには、
少しは、上を目指してみたい。」
少し照れくさく感じながらも、
心の中には、確かな火が灯っていた。
新しい挑戦が、ここから始まる。
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