株が辛く感じる理由は脳の仕組みにある
〜プロスペクト理論で解説する投資心理〜
株が下がると、
なぜこんなに辛いのでしょうか。
あと含み益があっても、
少し下がっただけで気分が沈むのは、
なぜなのでしょう…。
こう感じるのは、実は、
メンタルが弱いからではありません。
これは、
脳の仕組みに理由があるのです。
人は”損”に2倍敏感な生き物
ノーベル経済学賞を受賞した心理学者、
ダニエル・カーネマンが提唱した
「プロスペクト理論」では、
人は
「利益の喜び」よりも
「損失の痛み」を約2倍強く感じる
とされています。
たとえば…
◎株が100円上がった!
→ 嬉しさ:100ポイント😊
その後、
◎株が100円下がった!
→ 悲しさ:200ポイント😱
結局、株価は同じなのに・・
心のダメージは
100ポイント多いんです。
株価って、
上がったり下がったりしますよね。
で、この理論でいくと・・
株価が上下するたびに、
ダメージが蓄積されていくのです。
これが、
株が辛く感じる理由です。
カーネマンの「たった1つの質問」
—
A:確実に6万円もらえる
B:80%の確率で8万円もらえる
(20%の確率で何ももらえない)
—
皆さんだったら、
どちらを選びますか?
→実はこの場合、
多くの人はAを選びます。
ただ…
「期待値」はBの方が高いのです。
※
・Aの期待値は、6万円。
・Bの期待値は、8万円✕80% = 6.4万円。
でも、“確実な喜び”を取りたい
気持ちが勝ってしまうんですね…。
そして・・
選択肢が「損失」の場面では、
選択は真逆になります。
—
A:確実に6万円失う
B:80%の確率で8万円失う
(20%の確率で何も失わない)
—
皆さんこの場合は、
どちらを選びますか?
→このときは、
多くの人がBを選びます。
でも、
期待値は、Aが高いんですよね。
※
・Aの期待値は、-6万円。
・Bの期待値は、-8万円✕80% = -6.4万円。
「損を確定させたくない」という感情が、
合理的な判断を上回ってしまうのです。
「確率加重」とは… 確率をゆがめて感じる脳のクセ
人は「確率の感じ方」も
実はちょっと不思議で、
これを「確率加重」といいます。
👉たとえば宝くじ。
当たる確率はものすごく低いのに、
「もしかしたら自分が…!」と感じてしまう。
👉成功確率90%の話を聞いても、
「でも10%は失敗するんでしょ…」と
怖くなったりします。
→脳は、
・「確率の低いこと」を大きく、
・「確率の高いこと」を小さく、
感じてしまうのです。
投資でよくある“プロスペクト行動”
▶️含み損を抱えていても、
「もう少し戻るまで…」とずるずる売れなくなる。
(”何も失わない”可能性に賭けてしまう)
▶️利益が出ても、
「今のうちに確定しよう」と早く売ってしまう。
(”目の前の確実な利益”をとってしまう)
▶️「上がり過ぎているお祭り株」や
「夢銘柄」に引き寄せられてしまう。
(”確率が低いもの”を過大評価してしまう)
—
・・どれも理屈じゃなく、
脳の仕組みによる自然な反応なんです。
ある意味、
人間らしい行動なんですね。
そう、
「損小利大」って・・
簡単そうで、
なかなか難しい事なんですよね。
なぜなら、
👉️「目の前の確実な損失」を早目に受け入れる。
👉️「目の前の確実な利益」を取らずに伸ばす。
こういった、
「人間の本能」に逆らった行動が
必要ですから・・。
プロスペクト理論まとめ
「カブツライ」の正体は、
実は“心”ではなく“脳の仕組み”なんです。
でも、この理屈を知っておくだけで、
自分の感情と、
少し距離を取れるようになります。
感情を無理に消す必要はありません。
「今、自分の脳がこう感じてるんだな」
と気づくだけで十分。
それが、投資を長く続けるための、
秘訣の一つなのかもしれません。
・・次回は、
「日常生活で使われているプロスペクト理論」
について、記事を書きたいと思います。
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