米国SQと相場の転換点 ― ボラティリティはなぜ一変するのか
イラク情勢を背景に、
足元の相場は不安定な動きが続いています。
こうした局面では、
恐怖指数(VIX)も大きく上昇し、
ボラティリティが高まりやすくなります。
けれど、過去の相場を振り返ると、
あるタイミングを境に、
相場の様相が一変することがあります。
それが、米国のメジャーSQです。
※本記事は、過去の事例や相場の構造から、
一つの可能性を考察したものです。
相場が実際にどう動くかは、
誰にも正確には分かりません。
あくまで一つの視点として、
参考程度に読んでいただければ幸いです。
SQ前は、一方向に動きやすい
米国SQ前の相場は、
オプション取引の影響を強く受けます。
オプション市場では、
ヘッジやポジション調整が重なり、
価格が一方向に振れやすくなることがあります。
その結果、
恐怖指数(VIX)が大きく動き、
市場全体のボラティリティも
拡大しやすくなります。
恐怖指数の正体
恐怖指数(VIX)は、
オプション価格から算出される指数です。
つまりそれは、市場参加者が
どれだけ「保険」を欲しているか、
その度合いが数値になったもの
とも言えます。
不安が高まると、
プットオプションが買われやすくなり、
VIXは上昇します。
そしてそのことが、
相場の不安定さそのものを、
さらに大きく見せることもあります。
SQを境に需給が変わることがある
そしてSQを迎えると、
それまで積み上がっていた
オプションポジションが清算され、
そこで需給がいったんリセットされるのです。
すると、
それまで一方向に傾いていた相場や、
過剰に高まっていたボラティリティが、
急に落ち着きを取り戻すことがあります。
過去にも見られた転換点
実際に、
・2018年のクリスマスショックや、
・2020年のコロナショックでも、
米国SQの日が、転換点となりました。
たとえばコロナショックでは、
米国SQは2020年3月20日。
この日は日本市場は祝日だったため、
3月19日が安値をつけた日となっています。
この時点では、
新型コロナの終息など、
まったく見えていませんでした。
それでも相場は、
その先に想定される景気悪化や、
いわば「セルフ経済制裁」の影響を、
すでにかなりの部分、
織り込んでいたのだと思います。
材料が残っていても、相場は反転することがある
「問題が解決していないのに、なぜ底を打つのか」
そんなふうに感じる人も、多いかもしれません。
けれど、相場というのは、
常に最悪のシナリオを先回りして
織り込もうとする性質があります。
つまり、
「悪材料がまだ残っている」ことと、
「相場が下がり続ける」ことは、
必ずしも一致しません。
今回も、その可能性はあるのか
もちろん、
今回も同じように動くと
断定することはできません。
地政学リスクの中身も、
当時とはまったく同じではありませんし、
市場環境も違います。
ただ一方で、米国SQを境に、
・オプション需給の偏りが解消されること
・恐怖指数が落ち着くこと
・ボラティリティが低下すること
こうした変化を通じて、
相場の流れが一変する可能性は、
ありえるのではないかと思っています。
まとめ
相場というものは、材料だけを見ていても、
全体像はなかなか見えてきません。
大切なのは、
資金の流れ、つまり需給です。
そして時にその需給は、
SQという節目を境に、
大きく変化することがあります。
もちろん、
これはあくまで一つの見方にすぎません。
相場は常に想定外の動きをする
可能性があります。
それでも、
「材料は悪いのに、なぜ下がらないのか」
「問題は続いているのに、なぜ反発するのか」
そんな場面を考えるうえでは、
SQと需給の変化という視点は、
一つのヒントになるのではないかと思います。
※なお、今回の相場が
同様の動きになるかは分かりません。
需給の視点から相場を捉える
一つの材料として見ていただければ幸いです。
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