「時間と喧嘩する」レバレッジETF〜長期投資に向かない理由とは〜

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「時間と喧嘩する」レバレッジETF

〜レバレッジ型ETFが
長期投資に向かない理由とは〜

時間が経つと、なぜか価値が減っていく
“ふしぎな仕組み”を解説します。



最近人気の「レバレッジ型ETF」や
「インバース型ETF」。

日経平均やNASDAQの値動きを
2倍にしたりする、投資信託の一種です。


短期ではドキドキするような
利益を狙える場合がありますが…

実は長く持つと…
なぜかじわじわと価値が減っていくんです。


今日は、その“ふしぎな正体”を
少し優しく紐解いてみたいと思います。


※ここでは、
記事の複雑化を避けるため

日経レバETFのような
「上昇2倍型」だけでなく、

ダブルインバースのような
「下落2倍型」など、

“値動きを増幅させるタイプ”をまとめて
「レバレッジ型ETF」として説明しています。


日ごとにリセットされる “短距離ランナー”


レバレッジETFは、
「1日の値動きの〇倍」を
目指して作られています。


つまり、2倍型の場合、


▶インデックス(日経平均など)が+1%なら

👉️ETFは+2%


▶インデックス(日経平均など)が-1%なら

👉️ETFは-2%


こんな感じです。


でもここで重要なのが、

「この仕組みが“毎日リセット“される」

という点です。


いわば、マラソンではなく、
「毎日短距離走をしている」
といったイメージ。

毎日スタート地点に戻って、
1日の勝負をしているような感じです。


数字で見る”減っていく理由”


それでは、
具体的な数字で説明していきます


たとえば…


インデックス(日経平均株価など)が、

◎100からスタートして、
1日目に10%下がって、90になった。

そして翌日に11.1%上がって
元の100に戻ったとします。


👉️このとき、「2倍レバレッジETF」は、

(1日目): −20%で 100 → 80

(2日目): +22.2%で 80 → 97.8


あれ??…


インデックスは
元の100に戻ったのに…


ETFは97.8しかありません。


このズレが「減価」です。


上下を繰り返すたびに、
少しずつ削られていくんですね。


まるで、何度も洗濯しているうちに、
Tシャツの色が少しずつ薄くなっていく
ようなイメージでしょうか。


ボラリティが大敵


上がったり下がったりを
繰り返す“横ばい相場”では、

この減価がどんどん積み重なっていきます。


逆に、一方向に強く動く相場では
力を発揮することもあります。


でも…そんな「まっすぐな」
上昇トレンドや下降トレンドって、

現実ではそう多くないんですよね…。


コストも静かに効いてくる


もうひとつの落とし穴は
信託報酬などのコスト。


レバレッジETFやインバースETFは、
デリバティブ取引など
複雑な仕組みで運用されているため…

指数と単純に連動するような
通常のETFよりも手数料が高めです。


これは長く持つほど、
ボディブローのように効いてきます…。


実際の数字を見ても…


たとえば「日経レバETF(1570)」は・・

2012年から2022年までの10年間で、
理論値より「年率」で−2.6%も
多く減価しています。


また、
「日経ダブルインバース(1357)」では・・

理論値より「年率」で−6%超の
多くの減価が確認されています。


「年率」で見ると地味かもしれませんが、
これが10年積み重なると
ものすごい差になります。


※もっと具体的に書くと、

2015年末の日経平均は19,033円、
2024年末の日経平均は39,572円。

上昇率は107%です。


この場合の、減価がない場合の理論値は
53.5%減のはずが…

ダブルインバースの価格は

2015年末 304,000円
2024年末 11,410円

なので96.3%減です。

すさまじく減価しています…。


まとめると…


◎レバレッジ型ETF(上昇型)は、
「短期の上昇トレンド」を狙うためのもの。

👉️減価が大きいため、
長期投資には不向きである。


◎インバース型ETF(下落型)は、
「短期の下落ヘッジ」に向いている。

👉️減価が大きいため、
長期保有には明らかに向いていない。


おわりに…


レバレッジを効かせたETFは、
「短期で勝負したい人向け」の
“加速装置”みたいなもので、

長期投資の基本である、
「時間を味方につける」
ことと対極的にある商品です。


つまり、
レバレッジを効かせたETFは
「時間とケンカするタイプ」
投資なんですね。


道具としては面白いかもしれませんが…

もし持つなら、
“目的を決めて短く使う”のが
ポイントだと思います。


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